2015年5月14日木曜日

立山室堂周辺山スキー       高鍬 博

 
 日程:2015年5月10日(日)から12日(火)
メンバー:II、KT、KN、HY、AY、高鍬 博の6人(70歳から58歳)

4月26日の北山荘餅つき花見大会の時にHY君が、連休後に立山へ山スキーに行かないか、と言ってくれた。連休の火打山のプラン後は空いていたので、直ぐ行くと返事をした。しかし、火打に一人で行くし、立山にも行くと山の神がどう言うか内心心配だった。
火打から帰って山の神にいろいろサービスをして、何とか了解を取り付けて参加できることになった。日程が5月10日(日)から12日(火)に決まった。本当は火曜日は大学で4人でしている読書会の日だが、本はいつでも読めるが山スキーは元気な今しか行けない。迷うこと無く山スキーに行くことにした。
前日に岡山から来られていたKTさんが、5月10日早朝3時に車でHY君を拾い、3時半に山科の我が家に来て下さるとのことだ。3時に起きて用意をして待っているとインプレッサが到着した。乗せて戴いて我が家のすぐ裏から湖西道路に入って北を目指した。IIさんは、アウトランダーでKNさんとAYさんを乗せて、途中越で湖西道路に入り先行しておられるはずだ。II車が敦賀インター付近で待っていることを知らず、北陸高速道路を先行してしまったが、メールで連絡して無事合流できた。携帯電話は便利なものだ。
立山に8時過ぎに到着し、ケーブルカーとバスを乗り継いで10時15分に宿舎の立山室堂山荘に到着した。山荘に不要な荷物を預けて、早速一ノ越へ出発した。

5月10日(日)曇り

コースタイム:立山室堂山荘10:50ー2575m地点11:30~11:50ー一ノ越12:15~12:45ー御山谷2567m地点13:00ー一ノ越13:41~14:10ー立山室堂山荘


一ノ越を目指して登行開始。正面は浄土山
シール、アイゼン、壺足と、各自思い思いの方法で一ノ越を目指した。KTさんが、古希の年齢の為か岡山からの長距離運転と睡眠不足が影響しているのか、不調だった。しかし、急ぐ旅でもないので、休み休み登行した。連休の火打登山は私が最高齢だったので必死で登らなければならなかったが、このパーティーは私より3歳上が二人、同い年が一人、3歳下が一人、8歳下の女性が一人なので、比較的余裕があった。これくらいのペースの方が写真も撮れるし山を楽しめる。

休憩地点から大日岳が良く見えた。下に立山室堂山荘も見える。
2575m地点がハイマツと岩が露出していて格好の休憩地点となっていた。
振り返ると2泊する立山室堂山荘の向こうに、例年より雪の少ない大日岳が見えた。
20分間ほど小休止して栄養と水分補給をしてから一ノ越への最後の登りにかかった。

当初の天気予報は悪かったが、回復してきて時々青空も見える曇り空だった。


寒い中御山谷を登り返し一の越山荘に入る


雨が流れた跡が溝になって大きな波板状となり滑りにくかった
一ノ越で休憩後、御山谷への滑降を開始した。天気が悪くなり気温が下がり風が出てきていた。雪面も固く滑りにくくなってきた。睡眠不足のためか、寒くて体が動かないためか、私は本調子ではなく、何でもない斜面で2度も転倒して左肩と右腰を打撲してしまった。他のメンバーも万全では無いようだった。
寒くなってきたので御山谷の2567m地点で滑降を中止し、登り返して一の越山荘に入った。山荘の中で200円の暖かいコーヒーやココアを飲んで元気を回復した。
一ノ越から室堂への滑降にかかったが、雪面が固いうえに、雨で波板状に変形している部分もあり、斜滑降でさえ、その凹凸を乗り越えるのに苦労した。何とか滑り降りて立山室堂山荘に到着した。

室堂山荘の新しい気持ちの良いお風呂で痛んだ肩や腰を温めた。18時から夕食を食べ部屋に戻った。差し入れのビールや焼酎のいいちこで酒盛りが始まった。スキーや山の事、北山荘のことなど以外に農業指導などもあり、話題は多彩で話は尽きないが、皆睡眠不足だったので、早目に寝ることにした。暖かい布団にくるまって横になった。寝る前はいびきがどうのこうのと言う話もあったが、皆睡眠不足と疲れでぐっすり寝たようだった。少なくとも私は翌朝4時半まで白河夜船だった。


5月11日(月)晴れ

コースタイム:立山室堂山荘8:00ー2575m8:50~9:13ー一ノ越9:48~10:13ー御山谷2468m地点10:28~11:15ー竜王岳と鬼岳のコル12:15~12:55ー御山谷2535m地点13:4~13:45ー一ノ越14:33~14:41ー立山室堂山荘15:15



朝日に映える立山
4時半に起きてみると快晴だった。6時から朝食を食べ出発準備をした。昨日AYさんが履いていた板が古かったのでHY君が履いていた板と交換するべくビンディングの調節をした。HY君がいろいろ苦労してビンディングの位置を変えることに成功した。しかし、結局AYさんの靴が小さいので合わないことが分かり、また元に戻すことになった。
そんなことで出発が少し遅れたが、準備完了して8時出発。今日は雲一つない快晴だ。正面に立山が朝日に映えて綺麗だった。雪の斜面に朝日が照り返していた。




快晴の空の下の大日岳
振り返ると快晴の空の下の大日岳が綺麗だった。
昨日不調だったKTさんも今日は元気に登られていた。やはり、睡眠不足だったのだろう。昨日は壺足だったが今日はシール登行に変更されたことも関係するかも知れない。グングン高度を稼いだ。


夏服に衣替え中のライチョウ




途中で、左手のハイマツの茂みの中からライチョウの声がした。茂みに近づくと夏服に衣替え中のライチョウが現れた。
すぐにカメラを取り出しシャッターを切った。何とか写真が数枚撮れた。

後で二羽飛んでいたので、つがいの片方だったのだろう。

北アルプス連山





一ノ越に上がると快晴の空の下に近くの烏帽子岳や水晶岳は勿論、槍・穂高岳や笠ヶ岳も遠くに見えた。










右手の先に槍・穂高岳左手の先に笠ヶ岳
ここは取りあえず、好天を祝して万歳をしておいた。




中央の黒点がツキノワグマです











一ノ越からの風景を楽しんで御山谷に滑り降りようとしたとき、浄土山方向の雪の上で何か黒いものが動いていた。熊だ。ツキノワグマが雪の上を走っていた。慌ててシャッターを切った。中央の黒点が熊だ。
遠くて静止画ではやや説得力不足かも知れないが、その気で見ると、左の方向に歩いている熊に見える。



御山谷を滑降開始、中央下がAYさん

いよいよ御山谷の滑降開始だ。久しぶりのスキーだというAYさんが、御山谷には下りず一の越山荘でゆっくりしているなどと弱気なことを言われた。一番若いが女性でもあり、登りがしんどいとのことだ。AYさんのスキーは私のスキーに比べると格段に重く、確かに担ぐのが大変だ。しかし折角ここまで来たのだから、分かれるのは惜しい。IIさんに、登りは板を持つからと説得されて、AYさんも一緒に滑降することになった。

休憩地点から竜王岳を見上げる。雪面は雨のために波打っていた。
雪質が良くなったのか、睡眠不足が解消したのか、私は前日と異なり快調に滑ることが出来た。勿論転倒など一度もしない。AYさんも久しぶりのスキーとは思えないほどシュテムクリスチャニアで快調に滑っておられた。
御山谷2468m地点の大きな岩の横で休憩した。KNさんが湯を沸かして下さったので、コーヒーやココアを飲み、KTさん持参の岡山名物の饅頭をごちそうになった。美味しかった。
竜王岳と鬼岳とのコルへの登り
休憩後は竜王岳と鬼岳との間のコルを目指した。勿論AYさんも一緒だ。約束通りスキーは分担して担いだ。最初は急だったが徐々に緩やかになり1時間ほどでコルに着いた。


小休止して景色を堪能後、御山谷への滑りを楽しんだ。一ノ越への登りを考えて最下部までは滑らず、トラバース気味に御山谷に入った。そこで再びKNさんにお湯を沸かしてもらい、お茶の時間となった。先ほどと同じくKTさんの差し入れだが、今度は羊羹だ。美味しいボリュームのある羊羹を味わった。勇気100倍で一ノ越への登りにかかった。

御山谷の最後の登り。左からAYさん、HY君、KTさん、IIさん
一ノ越に上がると、山荘の前の雪が融けていて、石ころを踏みながらしばらく降りなければならなかった。また、雪上車が下から道を付けて上がってきていた。再びスキーを履いて滑り出したが雪上車の付けた道の下側を斜滑降で滑り降りた。やや腐り気味だが、雪質は前日より良くなっていて、滑りやすかった。
15時15分に山荘に到着。前日同様入浴と食事の後部屋で酒盛りとなった。いろいろ面白い蘊蓄が披露されて和やかな中にも有意義な宴会だった。8時を過ぎて寝ることになった。


 

5月12日(火)曇り時々雨

コースタイム:立山室堂山荘7:25-2520m7:40~7:59(滑降開始)ー天狗平8:41


 天狗平へ下る
雪面に割れ目が見られる
4時に起きたときは雨が降っていた。もともと天候悪化の予報だったが、台風が近づいて来ており、悪化が早まったのか。室堂からバスに乗り込む一手かと考えた。しかし、朝食を食べてから外を見ると雨は止んでいた。これなら天狗平まで滑ることが出来る。荷物の整理をして、出発した。


 
雪面に穴が掘れている
滑り降りる事が出来る高度の2520m付近まで壺足で登った。そこでスキーを履き下っていった。





トラバース気味に斜滑降をするが、雪が腐っており、ところどころ割れ目や穴があり、滑りにくかった。











雪の大谷を下に見ながら滑り続けた
雪の大谷の上を滑ったが、平日でもあり朝早いので観光客は居なかった。
天狗平に8時41分に着いたが、丁度8時45分のバスがあり、スキーの手入れをする間もなくバスに乗り込んだ。立山駅で土産物を買いこんで帰路についた。途中小矢部SAで昼食に小矢娘丼(おやこどん)を食べたが、その費用まで会費3万円で賄えたのは予想外だった。敦賀ICで高速を降り、湖西のあどがわの道の駅で、コーヒーを飲みながら次回の山スキーを約束して解散をした。

楽しい山スキーでした。IIさんを始め皆さんに感謝します。

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