2012年5月9日水曜日

やっと登れた 積雪期 冠山登頂記 鎌田 克則


積雪期の冠山(1256m)が何故通算5度、今シーズンだけで3度(別に偵察一度)もアッタックしなければ登れないのか。一口で言うと、常に天候が悪い、アプローチが長い〔林道の除雪状況が掴めない〕雪の状態が読めない(多いと雪崩、少ないと薮)事にある。それ等を上手くクリアーできるかが決め手なのだ。
 4月15日好天の報により、満を持して出発、今回は小林さんに加えて北山の会の上嶌さんも参加、一路通いなれた冠林道へ。これまでより除雪が進み4つのトンネルを抜け、まだ2kmほど先まであっさり到着、大助かりだ。
 早速林道を進む。さすが前回より20日経っているので、林道の雪も少なく、右岸からの雪崩の危険も余り感じられず、快調に進む。2時間強で916尾根の取り付き地点に到着(17.45)。雪上にテントを張る。要は前回の時間切れを避けるために万全を期し、テント地を進めたのである。
翌16日、5時45分アイゼン装着、尾根に取り付く。取り付きやすいルンゼがあるのだが、何時上から何が落ちてくるか、前回何度も肝を冷やしているので、雪壁と土壁の間を薮とアイゼンの出っ歯を頼りにしゃにむに登る。数十メートルで尾根らしきものに達し、それを辿れば前回ルート乗る。後はただただ登るだけ。
 天候は予報に反し曇り。上部は雲で見えぬ。
前回引き返し地点8時通過。やっと今度こそ登れると言う確信を得る。やや痩せ尾根を越え、いよいよ越美国境稜線臭い。何とガスの中に薮の稜線が見えるではないか。雪庇どころか雪が飛ばされて無いのである。そしてガスの中で何も見えぬが、先に雪原が現れ冠平に達したようだ。
前方の急斜面に向かう。この上部が冠頂上の筈。やがて薮交じりの中に夏道が見える。間違いなし。雪が切れ、アイゼンをガチャガチャ言わせながら夏道を左に進むと、そこが全く雪の無い頂上だった。(9,25~10,05) 三角点がむき出し、別に立派な碑もある。それにしてもこの岩峰をどうして登ろうかと考えていたのに、あっけないものだった。
 まずはめでたし、めでたし。ああこれでもう登らなくて済む。なんだかエベレストに登った人が吐く言葉を実感。
 何も見えないのは残念だが、雨が降るよりまっし。互いに写真を撮ったりしてゆっくりする。(9・25~10,05)
 下りは夏道から雪の急斜面に移る辺りのみ慎重に、あとは一目散、専ら自分等の踏み後を辿る。そして最後の林道に下りる急斜面、ひどい所を下ることになった。要は雪面が硬く、土壁のホールドが少なく、薮に掴まりながら半分滑り落ちた。ヒマラヤのサーミッターたる上嶌さん曰く。「こんな怖い山知らん」。
テント地に戻り、幕営用具を担ぎ、歩く事2時間、車のデポ地点に16時。山中では冠荘で風呂でも入ってと云う話もあったが、何故か早く家に帰りたかった。せっかく積雪期の冠に登れたのに。
これで積雪期夜叉が池~冠間縦走する計画は一部途切れましたが、主たる山は全部登れたので、歳を考えこの辺りで良しとします。

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