先ず、あの投稿後、2度北山を歩きました。最初は9月27日(日)の愛宕山。本来表参道を登るべしが、とてもしんどくて登れないので、朝7時35分の山陰線で八木へ。接続するバスで原へ。そこから登りました。標高差440m、表参道の半分ぐらいの登りで頂上へ。
それから首無地蔵、ダルマ峠、ウジウジ峠、カヤノ木峠、それに松尾峠、そして朝日峰の別れを過ぎました。ここまでは一寸ややこしいところが有りますが、一か所だけ判断を誤らなければ、全て一本の林道です。
そしてその先の梅ノ木谷を北に下るのですが、2.5万図では点線があるのに、全くと言っていいほど踏み跡がありません。思い切って朝日峰の東隣の真丸いピーク目指して東の谷を下ったが、伐採と其の後の放置で全く荒れた谷でした。
そして丸いピークの北の合流地点より林道が有り、そこは京都府立大学の演習林になっており、そのまま水谷川を下り、小野郷に出ました。
もう1回は10月3日(土)早朝よりJRバスで周山へ。タクシーで稲荷谷の最奥部へ。そこから茶呑峠へ。何と9時前に峠に着いておりました。
そこから城丹国境尾根の急坂の天童、飯盛を通過、ナベクロ峠に予定より早く着きました。そこから二手に分かれ、別パーティーは桟敷岳経由、岩屋不動へ。私のパーティーは、点線の祖父谷を下り、岩屋橋で5:15発の予約のタクシーで会う事にしました。
所が、ナベクロ峠の下りで、不覚にも主尾根を越えたつもりが、よく似た方向の枝尾根を越えただけで、何と大森から登って来る谷の東隣の谷を下ってしまいました。不審に思いつつも、峠を越えたのに、まさか隣の谷を下っているとは思いも寄りませんでした。下るうちに滝が出て来るは、谷は段々西に向いて来るはの悪戦苦闘の1時間半で林道に出ました。それでもまだ祖父谷林道だと思っていたのです。
所が右手に見える筈の桟敷岳が無く、城丹国境尾根上の鉄塔が見えました。おかしい。そして進むうちに、エンジンの音が聞こえ、ユンボを操作しているオッチャンに聞いて、初めて大森に下っていることが解りました。
そのオッチャン、なんと我々を、物凄い腰高ハイラックス・トラックで、信じられないような急坂の、オッチャンが造った道を登り、何と桟敷岳の稜線上の道まで送ってくれたのです。(後段で詳しく記します)
そしてその稜線の道をひたすら南へ下り、薬師峠に来たら、何とナベクロ峠で別れた筈のメンバーに会い、説明不十分のまま、岩屋不動に至り、予約のタクシーに間に合いました。そして烏丸北大路の王将で、説明と反省する事しきりでありました。
所が右手に見える筈の桟敷岳が無く、城丹国境尾根上の鉄塔が見えました。おかしい。そして進むうちに、エンジンの音が聞こえ、ユンボを操作しているオッチャンに聞いて、初めて大森に下っていることが解りました。
そのオッチャン、なんと我々を、物凄い腰高ハイラックス・トラックで、信じられないような急坂の、オッチャンが造った道を登り、何と桟敷岳の稜線上の道まで送ってくれたのです。(後段で詳しく記します)
そしてその稜線の道をひたすら南へ下り、薬師峠に来たら、何とナベクロ峠で別れた筈のメンバーに会い、説明不十分のまま、岩屋不動に至り、予約のタクシーに間に合いました。そして烏丸北大路の王将で、説明と反省する事しきりでありました。
以上が行動の粗筋ですが、ここでの山行から「北山トピックス」に追加訂正させて頂くのは下記の項目です。
1)蜘蛛は居る。
早朝自宅を出るとき、何と家の門に蜘蛛の糸が一本張っていた。久しぶりです。その時予感がしましたが、要は北山に行ったら、やはり蜘蛛の巣に出会いました。考えれば、蜘蛛の巣を張るシーズンがあるのです。逆に蜘蛛の巣を張ると言う事は、昆虫もいると言う事です。
2)動物も居る。
先ず茶呑峠の登りで、鹿の泣き声を聞いた。キーンと森林に響く。何か懐かしい思いがする。要は深山に来た思い。
所で今のシーズンは栗の季節です。そこら中に山栗が落ちている。所が殆ど栗は何者かに食べられていて、たまに残っているのは,虫食いだけ。要は動物が食べているのです。それに尾根筋のヌタには、明らかに猪が背中をこすり廻った跡がある。
そして極め付けは、先に書いたユンボのオッチャンに会ったとき、最初の言葉は「さっきまでそこに居た熊が、あんたらの方に行ったが会わなかったか?」「ヒエーー ! !」でした。
3)林道。
北山の谷と言う谷は、昔は木馬道が四方八方伸びていた様に、林道がやたら走っているのですが,木の切り出しが終わったら全てほったらかし。それがズタズタになる上に、木の伐採も必要な分を除いて全てほったらかし。よって何とも無惨で、見るに堪えない上に、下るには難渋する。それに鹿除けのネットもほったらかし。昔はこんな事は無かった。多分炭焼きが居て、道を整備し、余った材木は炭にしたのではないか。
要は材木の相場の下落、燃料の交代が北山の谷の様相を一変させている。
よってこれからは、谷を下るよりも、笹が無く、ブッシュの少ない尾根を降る方が楽な様です。まるで山スキーのルートと同じ感覚。
片や尾根上の林道は総じて立派。特に愛宕山の西は、何故か特に立派で、よって暑くて寝苦しい夏の夜は、車で首無地蔵以西の林道に登り、水場も有るので一夜を過ごせば、京都市内も見えてさぞ快適と思われます。
4)北山に住む人。
愛宕から水谷川を下り、小野郷に出て、バス停の向かいの空き地に水道の蛇口が有り、側の家の人に断って顏を洗ったりしていた。丁度そこに止まっていた車で、明らか娘とその孫を送ると思われる母親が居た。その母親が「これから京へ行かはるのどすか」と聞いた。首を縦に振ると、「どうかお乗りやす。娘と孫がこれから京へ帰ります」との事。気よく乗せて頂く。
道中聞くと、今日は小野郷の運動会で、参加者が少ないので、何でも出たら賞品がもらえるので里に帰った由。話すうちに中川の材木事情、それに学校廃校の様子。身辺変化の状況がよく解る。お互いに共通点が有って楽しいひと時でありました。阪急西京極駅に送ってもらい、お蔭で簡単に帰れました。明るく屈託のない親子でした。
5)もう一つ。2度目のナベクロ峠から、誤って大森側に下ってしまった時、出会ったオッチャンは考えられない程親切でした。
約束の5時15分の岩屋橋にはとても行けないと、頭を抱えていると、
そのオッチャン、「どうせ俺の作った道や。薬師峠まで送ったろか」と言う。とっさ、大森まで下り、薬師峠迄林道が出来ているのかと思った。所がそうでもなさそう。
「ちょっと待って居れや」と言って、そのオッチャンは上部にあるユンボに向かう。我々は為すすべなく、神様のようなそのオッチャンに頼るしかない。それはそうと車は何処にあるのだ。見回しても無い?
その内エンジンの音が止まり、やがて山の斜面に、そのユンボが造ったと思われる45度程の急坂から、突如ハイラックスサーフの腰高トラックが降りて来る。「これか!!」。「ちょっとUターンするからどいて」と言われ。それからどうするかと思いきや、何とその坂を上ると言う。
荷台の荷物は後ろに寄せ、私は助手席に、後三人はトラック荷台の運転席の後ろの柱にしがみつく。私が助手席のシートベルトを探していると、そのオッチャン曰く、「そんもんは要らん。落ちた時脱出できない」と言う。
そしてその急坂をローギアで猛然と登る。それこそオッチャンが造った、オッチャンだけの、桟敷の主稜に達する、オッチャン車の幅だけの道なのだ。私も世界の僻地に行くので、大概ひどい車やヘリに乗る。今回はそれと劣らぬ一級のレベル。どうも桟敷岳の西斜面を殆ど直登気味に登っているらしい。
途中道が湿っぽくなる。道が余りに急坂で、後輪が空転して登らない。「降りて押せ!!」。三人が降りて押す。全く動かず。通常ならそこで諦めるところ、そのオッチャン、猛然と100m程バック。その間の恐ろしさ。目をつぶる。そして今度は猛然と加速前進。やはり後輪が空転する。「もう駄目だ」と観念したとき、その湿地帯を抜けたのだ。正に天佑と言うべきか。
そしてその急坂をローギアで猛然と登る。それこそオッチャンが造った、オッチャンだけの、桟敷の主稜に達する、オッチャン車の幅だけの道なのだ。私も世界の僻地に行くので、大概ひどい車やヘリに乗る。今回はそれと劣らぬ一級のレベル。どうも桟敷岳の西斜面を殆ど直登気味に登っているらしい。
途中道が湿っぽくなる。道が余りに急坂で、後輪が空転して登らない。「降りて押せ!!」。三人が降りて押す。全く動かず。通常ならそこで諦めるところ、そのオッチャン、猛然と100m程バック。その間の恐ろしさ。目をつぶる。そして今度は猛然と加速前進。やはり後輪が空転する。「もう駄目だ」と観念したとき、その湿地帯を抜けたのだ。正に天佑と言うべきか。
更に登るとやや平坦。桟敷の主稜尾根上に達したようだ。「降りろ」との命に、車から降りると、オッチャン先に進むこと50mで、桟敷から薬師峠に達するハイキング道に達する。「右が岩茸に頂上や。30分も下れば薬師峠に着く」と言う。
「嗚呼ありがたや。ありがたや」そのオッチャン、よく見るからに逞しく、男らしく、山の男なのだ。正に神様、仏様である。若干のお礼をして、これからどうすると聞いたら、又その坂を下ると言う。家を聞くと、名前は和田さん。大森の東町、茅葺きが、銅版で覆われているので直ぐ解るとか。それに屋号は利。改めてお礼に参上せにゃならぬ。感謝、感謝。
「嗚呼ありがたや。ありがたや」そのオッチャン、よく見るからに逞しく、男らしく、山の男なのだ。正に神様、仏様である。若干のお礼をして、これからどうすると聞いたら、又その坂を下ると言う。家を聞くと、名前は和田さん。大森の東町、茅葺きが、銅版で覆われているので直ぐ解るとか。それに屋号は利。改めてお礼に参上せにゃならぬ。感謝、感謝。
お蔭で予定時間に岩屋不動に到着。別メンバーと、それに予約のタクシーに間に合った。あの神様のようなオッチャンが居なければ,えらい事になるところだったのだ。
それに感心したのは、そのオッチャン、自分の山を美しく整備するために山の手入れをしているのだと仰った。「そうしなければ、下流の人が困る」と言う。嗚呼、和田さまは、やはり神様だ。