2012年9月12日水曜日

8月25(土)26(日)北山彷徨(立命wv小屋泊) 鎌田克則

天気の良いし、それに車は人に貸して無い。直前に白馬大雪渓のTVを見て、白馬も良いなあと思った。しかし数少ない同行可能者に振られ、それなら北山を一泊二日で一人自在に歩いてみようと言う気になった。
さて北山の色地図を眺め、宿泊場所として百井青少年村を目したが、これ又満員で振られ、寝具等を持ちたくないので、わが立命wv小屋なら毛布等が豊富にあり、それと決めた。
すれば、雲取山、天ヶ岳、天ヶ森、皆子山辺りが射程距離に入る。それ等をNETから拡大地図を用意する。それと以前より飯盒と薪で炊飯、味噌汁、梅干等中心の所謂中・高校山岳部時代の再現を考えていたので、この際試みる事にする。それにかなり歩きそうなので、足裏にべったりガムテープを張り、足指にワセリンを塗ってみる。実際にはこれ等がヒット、懐かしい山旅となった。
25日)今日は芹生峠を越え、芹生、そして雲取山南の二の谷に入るだけである。ゆっくり出発。叡山電車で貴船へ。バスがあって貴船神社の手前までは楽々と行ける。但し人と車の多さに閉口だ。何故人は混雑する観光地を目指すのか。滝谷の分かれになるとぱったり人が居なくなる。
 芹生峠は覚悟はしていたが、想定以上に急坂で長い。一人黙々と登る。昔はこんなのは平地を歩くようなものだった。
 美しい杉林を下ると、芹生の部落。茅葺こそトタン葺となったが、ひっそりとした様子は今も昔も変わらない。

芹生の部落

  心細い勢竜天満宮横を通り、一の谷に向かう。北山の清流の美しさが一段と映える。二の谷に入り、通いなれたるWV小屋に着く。ここまで3時間10分、まあまあか。錆びたカウベルが気になる。今冬サンモリッツに行くので、大きな奴を買って来よう。
 小屋を開け、毛布を床に敷き昼寝をする。涼しくてそのまま・・。夕刻いよいよ炊飯に掛かる。薪もかまどの近くに適当にあり、燃やせる筈だが、私は下手。いつも上手な人が廻りに居たのだが今回は苦労する。
 3年程前亡くなったが益サンと言う元「わらじの会」のメンバーで、火を燃やすのが実に上手い男を思い出す。何しろ川に浸かった大きな流木でも燃やすのだ。それに彼は勿論沢登りが得意で、白神山地の赤石川とか北海道クワンナイ河等々、そして何と言っても、冠松次郎が、黒部の岩魚と双六谷の岩魚が行ききするという金木戸川、九郎右衛門沢を遡行した事が思い出される。双六小屋の小池潜氏が驚いた。
 何とか飯盒のご飯が炊け、味噌汁、梅干、塩昆布本当に旨い。そして涼しいので早々に寝てしまう。気楽なものだ。
26日)目が開いたら7時半。11時間ぐらい寝た勘定。自然の中で寝るとこうなるのだ。昨夜のご飯の残りに水を入れ、おかいさん。お茶漬けのりを入れれば上出来だ。ヒマラヤトレッキングを思い出す。 
何もせかされる事がないので、出発は10時。あっさり雲取山は諦め、一の谷経由寺山峠に向かう。
  峠を下り途中、右側に昔懐かしい花背のスキー場跡がある。中学、高校時代何度来た事か、そして花背小学校、なんと閉校している。
 車道を渡って一寸クランク、和佐谷に入り和佐谷峠を目指す。下部は何か施設があるらしく道は立派ながら、上部は伐採のよって道が消えている。昔は生活道でも今は利用がなければ道も消える。持ち前の読図力で峠へ。ここは花背峠より大見、尾越に通った道だ。一寸北に振って東方向、百井を目指す。下っていくと百井青少年村である。なかなかの設備。以前誰も居ない時、キャンプしたことがある。夏休み時分だけに盛況のようだ。時期を外して利用したいものだ。
 百井は中学,高校山岳部時代,そして北山クラブ時代よく通過した。その昔、大火事があって殆ど燃えたことを思い出す。

神社の前で休んでいると暑さもあって、これから天が岳を越えて,尾根通しに鞍馬に向かう意欲減退。鞍馬街道百井別れを3時過ぎ通過するバスを思い出す。誰も相談する必要がない。あっさり百井別れの向かう。車道に拘わらず細くて登り降りがきつい。但し美林が続く。如何にも北山である。
友人の別荘があると聞いているがどの辺りか。そしてバス停。314分京都バス。懐かしい街道を、涼しくてうとうとしているうちに出町柳へ。改めて北山を自分なりに歩いてみようと思う事しきり。
 
百井峠付近

2012年9月11日火曜日

2012年8月  シニアのスイス滞在お役立ち情報 鎌田克則

夏にスイスに滞在するのは確かに快適である。何と言っても美しい。それに涼しい。欧米人がバカンスと称して海や高原に長期滞在する気持ちは解る。余裕から生まれる文化なのだ。こちらはそんな余裕もないが一寸真似てみたい。
懇意にしているヒマラヤ観光の大島さんより、スイス・ウエンゲンに週単位のシャレーが空いているとの報せに二つ返事。安い飛行機を頼むと、ハイシーズンながら81日行き、13日帰りが一番安く、カタール航空でALL込み、14万円。それにシャレー8泊(自炊)6万円、他にルッツェルンホテル、2泊、スイスパス15日分など手配頂いて25万円程,これはシメシメ。
ウエンゲンは数年前1週間程滞在してスキーを楽しんだところで、要領は解っている。ユングフラウに一番近い静かな村。グリンデルワルト、インターラーケンにも近く、鉄道で繋がっていてすこぶる便利。

スイスは、日本の九州より一寸大きいぐらいとか言われる国で、その一地方に2週間近くも居れば、加えてスイスパスがあれば、大抵のところに行ける。さて、あっちに行った、こっちに行ったの話しは、観光案内を見れば解る話なので、年寄りのやや長期滞在型旅行ついての参考になりそうな体験話を記してみます。

1)宿だけ決めて、行く先は現地で決めるのはすこぶる自由度が高い。それだけに人数が多いと意見が分かれる。少人数、出来れば夫婦、カップルが良い。それにシャレーは自炊だから、女性の参加は有り難い。
2)スイスパスは安い上に実に有効。鉄道(特別の○○特急は除く)、汽船、バスは乗り放題。登山電車、ロープウエイ等は50%~25%引き。となると気兼ねなく何処へでも行ける。特急列車や特に美しい湖上の船は素晴らしい。行きは船、帰りは鉄道とか、それにポストバスを使うとか。(今年はユングフラウ鉄道完成100周年記念で特別切符があり、有効に使った)
3)シャレー(炊事用具他暖炉の薪までセットされた完全設備のアパート)で無いのは、食料のみ。調味料も大概残っている。よって毎日帰りの駅前のCOOPで好きなものを買って、簡単に手を加える。どうしても、肉、野菜、パン等になる。アルハー米を持って行ったが、米、うどん、ダシの素、きゅうちゃん漬け,お茶漬けの素などは実に有効。衣類は夏で軽いのだから持参するに限る。
4)言葉と食事 基本的にはドイツ語のようだが、英語が通ずる。勿論べらべらの人もいるが、そもそも欧州人は正式に英語を習わないようで、(我々が韓国語を習わないように)必要から覚えるので、まあ我々より少しまし程度、お互いに相手の顔を見ながらゆっくり話すから、必要な事は大抵通ずる。それになんたって観光国。元々親切な人達でマナーも良い。
当方まあ中学2年程度ながら、ボディランゲージと度胸で余り不自由しない。ただレストランを予約したり、メニュウで注文する時が一番困る。
それで朝はCoopのパンに飲み物、昼はロープウエイの駅のレストラン等、夜のディナーは出来るだけ避けた。止むを得ない時は、黒板にメニュウらしきものに、値段の書いてあるお勧めメニュウを指差す。それでも注文困難時は、周りの食べている食事の良さそうなのを指差すとか。但し大抵量が多いので、一人前を二人で分け、飲み物だけ人数分だけ注文する。それに駅のファーストフードとか、ラップで捲いたサンドイッチとか。本音を言えば、これまでヨーロッパアルプスでそれ程美味しいと思った料理はない。
夜は専らCoopで買った肉と野菜とビールかワイン。日本から持って行った簡易食料は、日本で食べるより美味しかった。
その他)お金は、現金は一人当たり2万円程度、後は全てカード払い。僅かな金額でもカードOK。安全でレートもよい。
衣類も重ね着が出来るもので、同じレベルのものは持たず、下着も2セットぐらいか。あまり汗もかかず,洗濯は簡単に出来る。ただ外に干せないので乾きが悪い、出来るだけ化繊の衣類が良い。
写真は美しい景色が多いので、メディア、予備のバッテリー、それに充電器も。又国際用の携帯電話は安心できる。
気候は全く快適。概ね22度前後か。夜は寒いぐらい。湖岸に水着で日光浴をしている人を見て、今が夏だと思い出した。
交通機関で、特に登山列車も色々あり面白い。蒸気機関車もあり、どれも信じられない程の坂道を登る。料金は一寸高いがお勧め。
それにやはりユングフラウヨッホも行くべき。行く度に新しい設備や、出口が出来ていたり、氷の殿堂も広く多彩になっている。天気の良い日を選んで、朝早くか、夕刻、半日ぐらい掛けてゆっくり楽しむべき。
案内書はやはり「地球を歩く」を使った。特に小さな字で投稿してある所を訪ねたら、お勧めどうりで、なかなか優れもの。
それと韓国人、中国人の団体観光旅行者が多く,喧しくてマナーも悪い。以前は日本人もそんな事だったろうとは思う。何とか彼等と一緒にされない様にすべき。「ジャパニーズ?」と聞く人が居る。やはり明らかに区別されているようだ。

以上だが、要は歳をとるとこのような旅が有り難いと思う。本当に楽しく、印象深い旅でした。最大のエキスは、誰と行くか。やはりカップルが良い。出来れば最愛の人と。